SynologyのDS audioではハイレゾが48kHz/16bitにダウンコンバートされる
Synology NASで利用できるサーバー機能のひとつにAudio Stationがあります。NAS内の音源を管理してあらゆるデバイスで再生できる機能です。自宅内でのDLNAはもちろん、スマートフォンでDS audioをインストールすると、難しい設定をしなくても外出先からNAS内の音楽を再生できるようになります。Apple MusicやSpotifyのようなストリーミングの環境を自前の音源で作れるのです。

ハイレゾとの相性がいいはず
Apple MusicやSpotify、その他の多くの定額配信サービスは不可逆圧縮のコーデックで配信しています。そのためCDよりも音質が劣化したものが配信されているのです。最近はmora qualitasやAmazon Music HD、Deezer HiFiなど、CD音質やハイレゾ音質でストリーミングを提供するサービスも現れ始めましたが、まだまだ音源が少なく存在感は薄いです。
Apple Musicでは手元にある音源をアップロードすることもできるのですが、CD音源やハイレゾ音源は256kbpsのaacに圧縮されてしまいます。シームレスで利便性は非常に高いですが、お世辞にも音質が良いとは言えません。
そこで、Audio Stationの出番です。1度NASに音源を入れれば、世界中のどこからでも再生できるのです。いわば自前のストリーミングサービスです。
DS Audioでは再生だけでなく、一度再生した曲のキャッシュや任意の曲のダウンロード保存もできるので、アルバムを購入するたびにパソコンとスマホやDAPを同期する面倒な手間からも解放されました。
圧縮されないと思いきや
端末側でダウンロードされた曲を見るとなぜかWAVに変換されておりサイズが明らかに足りません。流星群の元の音源は96kHz/24bitのFLACで140MBを超えるサイズがありました。
再生してみると48kHz/16bitと表示されました。大幅に劣化しています。同様に96kHz/32bitのALAC・AIFF・WAVでも試したのですがどれも同じように48kHz/16bitのWAVに変換されていました。
また、44.1kHz/16bitのFLACを同じようにダウンロードしたところ、変換されずにもとのファイルとそっくり同じ44.1kHz/16bitのFLACがダウンロードされていました。48kHz/16bitを上回っていなければ特に変換はされないようです。
DS Audioでは48kHz/16bitを上回る音源の再生は不可能
以上の結果より、DS Audioでは48kHz/16bitを上回る音源はダウンコンバートされるため、もとの音質では再生できないと断定します。DSM上で探してみたのですが、これらに関わる設定項目は見つけられませんでした。
とはいえCD音質相当を上回る配信は可能なわけですし、多くのストリーミングサービスに比べれば良い音質での再生が可能です。もとの音質で聞きたい方は、DS file等でファイルをダウンロードしましょう。
DLNAでは無劣化で再生可能
自宅内でDLNAを利用して再生したところ、96kHz/32bitで出力されているのが確認できました。DLNAでできるならDS Audioでもできるようにして欲しいですよね。今後のアップデートに期待しましょう。